2025年2月15日土曜日

「君は彼方」

 ちょっと忙しくて映画一作に対してモモとハルカをコミックで語らせている暇がないので、テキストバージョンで中島英樹(Blueiris)のモノローグでしばらくお送りします。


この「君は彼方」という映画が上映される、と知ったのは東武アーバンパークラインで柏の葉キャンパス駅に向かう途中で東武鉄道のチラシコーナーにチラシが置いてあったのを見て、気になったからだ。チラシを見て、「なんか、面白いのかな、一応目を通しておこう」という事でチラシを取得した。チラシを見ると、結構都電荒川線が主要な乗り物として出てくる、と言う事で見てみるか、と思った。もうちょっとでblueiris.jpで公開出来る様に努力している「印象、トーキョーサクラトラム」で都電荒川線をかなり綿密に取材した共通知があったので、他のクリエイターがどう都電荒川線と表現するのか確認したかった。チラシを見るだけだと、「君の名は。」とか「天気の子」っぽいストーリーなのかなぁと言う第一印象だった。2020年12月4日、建設現場の仕事がぽっかり空いたので、日中、様々な用事と買い物を片付けて、夕方から夜にかけて時間が取れたので、夜、イオン春日部のイオンシネマ春日部で見た。コロナ第三波とマスコミが散々煽っている世情の中でイオン春日部で上映時間まで、テナントを見て回っていると、明らかに開店当初のイオン春日部とは人の入りが違っている。金曜の夕方から夜、記憶だと人で賑わっていたように思うが、閑散としている。どこのフロアに行ってもそう。一階の食事処も、閑散としていて、これならコロナ関係無いよね、といえる位人がいない。一晩明けてその記憶で言うと、「イオン春日部、終わったかな」と思える。「君は彼方」のチケットを買う。時間が来て、入場して席に座る。周囲を見ると他の観客は居ない。そう、一人貸し切りで見る事が出来た。気分はいいが、さみしい気もする。こういう独立企画の長編アニメーション映画を上映出来る、と言うのは日本映画界がかなり景気が上向きで、この「君は彼方」も、運良く、長編アニメ映画としてスクリーンで上映される、と言う機会を得た企画とクリエイターと作品だった、と言う事だ。ユナイテッドシネマ春日部で何本か、こういう独立企画、ベンチャー企画と言える長編アニメーション映画をいくつか見ている。「ジョバンニの島」とか、他では「この世界の片隅に」とか、数本見て居る。「この世界の片隅に」以外は、単に反響も無く、収益を上げる、と言う事では失敗ビジネスだが、作品的には「あれ、良かったよね」と振り返る事が出来るアニメ作品が意外と多い様に思える。ではこの「君は彼方」は金銭の売り上げ的にはどうか、と言うと大失敗である。上映開始一週間で1日の上映が二回で、夜の上映は私が一人で見る、と言う位話題にもならないし、反響も無いし、客は入らない。「鬼滅の刃」が大流行とは対照的である。イオンシネマ春日部でも「鬼滅の刃」の大きなポップがロビーに置いてあった。でも私は絶対見ない。今の多数の日本人が見て居る、と思うだけで嫌悪感がある。メジャープロダクトに煽られたくない。 「君は彼方」はどういうストーリーか、と言うと、未熟な女子高生が、交通事故に遭って、生きるか死ぬかの、あの世とこの世の境界で、魂の精錬と修練とそして大切な人への

回帰と新しい物語の始まりの物語である。見終わって、パンフレットを見ると、監督・原作のクリエイターは、10分程度の名刺代わりの短編アニメとして考えて居たら、長編アニメーションにしてみてはどうか、と言う事で長編アニメーション映画になったそうである。その経緯をパンフレットで知って、新海誠の「ほしのこえ」と同じ経緯だったようだけど、ビジネス的にそそのかされて、長編になった様だ。出来れば10分のエッセンスで見た方が良いように思えた。前半で、アニメーションを動かさないでキャラクターボイスだけで聞かせる表現が多かったので、「手を抜くな」と正直思った。途中のストーリーで、「そう簡単に現世に戻る訳では無く、二ひねり以上あるだろうな」と思いつつ見た。トータルでの感想は「駄作とは言えないけど、佳作だな。傑作ではない」だ。「君の名は。」とか「天気の子」とか「空の青さを知る人よ」みたいな佳作以上の余韻は感じられなかった。未熟さとか生き急ぎ感とかが受け止める事が多かったので、やはり監督には、本数を重ねて貰って新海誠クラスを目指してやって貰いたいモノである。新海誠だって、「秒速5センチメートル」とか「星を追うこども」とかセールス的には全然話題にならない映画を作っているが、私なんかはDVDで「秒速5センチメートル」を見て、ラストシーンを見て、「もう絶対見かえさない」みたいな、サッドエンドとか、ある。イオン春日部の帰りにファミリーマートに寄ってミルクティーを買っていると山崎まさよしの「One more time,One more chance、」が流れてきて、「秒速5センチメートル」のあの寂寥と新しい人生の始まりとの境界の物語を思い出してシミジミとして家に帰ってきた。そんな所だ。

2020/12/05

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